Fediverse でひたすら百合4コマを描いた話
こんにちは。やまこ (@yamako@fedibird) です。
これは Fediverse Advent Calendar 2020 の 21日目の記事です。
今日は、私が Fediverse でひたすら百合4コマを描いて、いまも描いている、というお話を書きます。よろしくお願いします。
私について
ローカルタイムラインのない Mastodon サーバ Fedibird に生息している、IT エンジニアっぽい生き物です。
お絵かきが好きで、よく Fediverse にまんがやイラストを放流しております。猫やかわいいどうぶつも好きで、よくどうぶつ手動ブーストbotになっております。
百合4コマとは
百合… それは女の子どうしがなかよくすることで生み出される、めくるめく美の世界…
というような書き出しをしてみましたが、ここでは単純に女性どうしのなかよし関係について描かれている 4 コマまんが、だとゆるく捉えてもらえれば幸いです。
LGBTQ についてとか漫画表現についてなどは私の手に余る話題なので、ここでは書きません(書けません)。
らむたさんの「毎日百合漫画」が素晴らしかった話
さて、Fediverse で百合4コマというと、Pawoo で らむた(@nakochizu@pawoo.net) さんが投稿されていた「毎日百合漫画」があります。これは本当に毎日投稿されていて、私もよく、ふーちゃんとさくらちゃんの可愛らしいやりとりに心を和ませてもらっていました。
以前から「女の子がすきな女の子の話を描きたい」と考えており、誰にも見せられない落書きレベルでいろいろと描きちらしていた私は、このらむたさんのまんがにすごく…なんというか、希望をもらいました。
この子たちは本当に仲が良くて、ふたりの幸せなやりとりだけが毎日、断片として温かい存在として垣間見える。それだけを描き続けることのなんと尊いことか。尊い…
そうか、これが百合界隈などでいう「尊い」という感情か…!(といまにして思える)
私も描いてみたい!
らむたさんの漫画に百合の尊さを教えてもらった私は、おこがましくもこう思うに至りました。
私も、ひとりで描き続けてきたふたりの幸せの断片を描いて、ネットにあげてみたい…!
そして、それまであまり活動できていなかった Pawoo のアカウントで、以下のようなものを投稿しました。
https://pawoo.net/@windish4649/104001623338136427
2020年(つまりこれを書いている現在、今年)4月15日のことです。
この私の初めての百合まんが投稿は、Pawoo のローカルタイムラインのなかでたくさんの神絵師たちの投稿に埋もれていきましたが、そんな中でも目をとめてくださり、★を押してくださった方々がいました。
それは、その方にとってはささいなことだったかもしれませんが、私はあの日、お気に入り通知がきたときの感動が忘れられません。あれがなかったら、私はいまも百合まんがを描き続けることはなかったと思います。
自分ひとりで黙々と描き続けてきたものが、外の世界に放たれたことを実感した瞬間でした。
ひたすら投稿しつづける日々
それから私は、数日に1度ぐらいのペースで、この「なかよし おねえさんたち」シリーズを Pawoo に投稿していきました。
らむたさんのように毎日とはいきませんでしたし、そもそも長く描き続けるつもりも最初はなかったものですが、だんだん楽しくなってきて、気づけば回を重ねるようになっていきました。
30話ぐらい描いたころでしょうか、ちょうどそのころやりとりをするようになった のえる(@noellabo@fedibird.com) さんに「作品へのハッシュタグ追加」を勧められ、投稿につけるようにしてみました。 👉 #なかよしおねえさんたち
これによって過去の作品に遡ることが容易になり、Fediverse で楽しんでもらいやすくなったのではと思います。(のえるさんありがとうございます!)
また、このころから徐々にいろいろな方に、まんがをブーストしていただけるようになりました。お心当たりのある方、そうあなたのことです。本当にありがとうございます。とても感謝しています…!!!
はじめての同人誌制作
思いの外長く続けられたことに気を良くして、もしかしたらこれはまとめて同人誌にできるのではないか…?と考え、図に乗って制作をはじめました。
とはいえ、同人誌作成の経験はなく、それどころか同人誌即売会に行ったことすらなかったので、知らないことばかりでした。ウェブで検索しまくりました。
印刷所は pixivFACTORY 経由で探し、最初の入稿には数日かかってしまいました。そのころの私の制作環境は iPad Pro + Apple Pencil + iBisPaint のみでしたが、iBisPaint ではあまり大きなサイズのキャンバスが生成できず、原稿データがつくれないというトラブルがあったりしました…(なので Medibang Paint を併用していました。ちなみに今は iMac + Adobe Illustrator を導入したのでそのへんの心配はなくなりました)。
そんなふうに苦労してつくった本が、はじめて自宅に届いたときの写真がこれです。
感動ですよ… 私のまんがが紙の本になっている… 😭
ちょっと時系列が前後しますが、紙の本は印刷のチェックなどに時間がかかりそうだったので、さきに電子書籍(PDF)を作成しました。原稿データさえできてしまえば、Mac なら JPEG ファイルを Finder で選んで右クリック > クイックアクション > PDFを作成、で一発。あああ超便利。わーい。
電子書籍ができた段階で、BOOTH に本をならべて Fediverse で公開しました。
https://yamako-windish.booth.pm/items/2303689
ありがたいことに、すでに「なかよし おねえさんたち」を読んでくれている方が、何人か買ってくださいました。ありがとうございます… 😭😭😭😭
BOOTHアプリからの通知は、最初に Pawoo に投稿したときのお気に入り通知にまさるとも劣らない、嬉しさがありました。
上記の写真のとおり紙の本が届いた段階で、こちらも BOOTH にだしました。
https://yamako-windish.booth.pm/items/2427879
季節は夏。8月下旬の暑いころでした。
それからおきたこと
そこから立て続けにいろんなことがありました。Fediverse に関係していることを中心に、バラバラと書いていきます。ちょっと時系列が前後しているかもしれませんが、ご容赦を。
はじめての同人誌即売会
つくった本をリアルイベントで並べてみたい欲が抑えられなかった私は、コロナ禍でリアルイベントが自粛されるなかで、開催されている一次創作系の即売会を探して参加しました。
同人誌制作の大先輩である xanac(ざなく) さん (@rk_asylum@under-bank.blue) には、準備の仕方や心構えなどを色々と教えていただきました。ありがとうございました…!!!
会場では、オリジナルの百合まんがを描いている若い方とお話したり、オリジナル小説やグッズを作っている方のブースを見られたりと、とても楽しかったです。なによりも、はじめての同人誌即売会体験に、興奮しまくりでした…!
はじめてのブース設営のようすです。
はじめてのアイコン制作
私のイラストやまんがを見てくれた ビーボ(@vivo@gingadon.com) さんが、アイコンを描いてほしいとのことで、描かせていただきました。だれかに頼まれて絵を描いたこと自体、30 年以上ぶりで、感慨深いできごとでした…!
はじめてのオリジナルグッズ
ネットプリント(略してネップリ)でしおりをつくって配布しました。
ほかにもキーホルダーやステッカー、缶バッヂなどを作成しました。つくるのたのしい。
名刺を制作
イベント会場で配れる名刺をつくりました。
はじめてのコミッション
pixivFANBOX に登録してみたり pixiv リクエストや Skeb をはじめてみたりしました。
pixiv リクエストでは かき(@oyster@hiroshimastdn.club) さんからご依頼いただきました!!
聲の形、はじめて見ましたがとてもよい作品でした… アニメも原作まんがも良くて、この機会がなかったら出会えなかった作品でしたね…(話がそれかける)
百合カフェに行ってみた
百合というジャンルにたいする知見がほぼ皆無のため、見聞を広めるべく新宿にある百合カフェに行きました。
そこで食べたお菓子と、ウィスキーです。おいしかった。
2巻を制作
10月ごろに「なかよし おねえさんたち (2)」を制作しました。
https://yamako-windish.booth.pm/items/2432625
Pawoo から Fedibird へ引っ越し
10月に引っ越しをしてアカウントが変わりました。はじめてのお引越し。
ちなみに Fedibird へ引っ越しをした理由は Mastodon の新しい機能を日常使いしたかったのと、運営の様子がわかりやすそうだったからでした。
Fedibird ではカスタム絵文字も追加してもらいました。わーい。
バーチャル同人誌イベントに参加
スマホで手軽に参加できる VR イベント「OperationVR-EXTRA Testrun#2」に参加しました。
このイベントは小規模ながら同人誌イベントに造詣が深い方が多く参加しており、イベント経験のほぼない私にとって、場の空気を知れる貴重な機会でした。
バーチャルブースのようす。時期的にハロウィンの装いでした。
ちょっと軽めの本を制作
「なかよし おねえさんたち」がフルカラー36ページ 1,000円とちょっと重たいので、手軽に手に取れる本として「お料理苦手!マコさんの独りごはん」をつくりました。モノクロ8ページ。
https://yamako-windish.booth.pm/items/2581955
TAMAコミに参加
創作系の同人誌イベント TAMAコミ第一回 に参加しました。
ここでついに、リアルイベントで本が売れるという実績が解除できました!!!
買ってくれた方、ありがとうございます…!!
あと、リアルのえるさんにもご挨拶できました 😎
詳しいことは FANBOX に書きました。
https://www.fanbox.cc/@yamako-love-cat/posts/1682097
3巻を制作
12月に入り「なかよし おねえさんたち (3)」を制作しました。BOOTHでの公開日は 12月27日 を予定しています。
Fediverse でまんがを描くということ
さて。
ふりかえってみると、これらのことが、2020年4月から現在までのわずか 8ヶ月で、すべて起きています。我ながら頭がおかしいと思います。
なぜ続いたんだろうか…とふりかえると、描きたい気持ちがそもそもあった、ということや、pixiv や pixiv Sketch や Twitter の存在も大きいのですが、やはり Fediverse の存在がかなり大きそうです。
あくまで個人的な感想ですが、Fediverse では創作をしている方々の顔が見えやすく、その存在もはっきりとした輪郭をもって気づきやすい、という気がしています。だからこそ、私のささやかなまんがも、いろんな方々の目にとめてもらえたのかな、と思っています。
たくさんの方が、まんがやイラスト、小説、音楽、ゲーム、動画、メカいじり、お料理、裁縫などなどを投稿しているようすは、まさに小宇宙そのもの。そこに参加することは、とてもたのしいことです。つくるだけでなく、見て楽しむことも。
100回ありがとう企画について
せっかくですので、先日行った「なかよし おねえさんたち 100回ありがとう企画」についても触れておきます。
「なかよし おねえさんたち」の投稿がついに 100 回を迎えたので、その記念および読んでくれた方への感謝として実施した企画です。
私はたまに「ふせんお絵かき」という名目で、ふせんにボールペンで描いた絵を投稿しているのですが、企画に参加してくれた方に向けてそれを描こう!というものです。企画への参加は、告知トゥートをブーストすることで行えるしくみでした。
実はこれと似たような企画を pixiv Sketch のフォロワーさんがやっていらしたので、私もやってみよう!となったのですが、ブーストされる数によってはものすごく大変なことがわかっていたので、描く負担が少ない「ふせんお絵かき」に限定しました。かっちりしたデジタル絵にしなかったことで適度なライブ感(?)が出た気がするので、これはこれでよかったのかなと。
お陰様でこの企画は 42 名もの方にご参加いただきました。参加してくれた方のプロフィールを見に行き、その方に関連した絵を、楽しく描かせてもらいました。
驚かされたのは、普段まったく面識のない方が、私のまんがを見てくれていることがある、という事実です。おそらくどなたかがブーストしたものがその方のホームタイムラインに流れたり、連合タイムラインでたまたま目にしたりしているのだと思いますが、ああ、私が考えているよりもずっと多くの方に、このまんがは届いているのだな・・・とじんわり感じ入ってしまいました。
企画に参加してくれた方はもちろん、見て楽しんでくれた方も、本当にありがとうございました。
https://fedibird.com/@yamako/105376690359628584
まとめ
ここまで駆け足でお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。
Fediverse には、謎の熱量をうけとめてもらえる器があります。
だから私も、なにかをここで小さくはじめようと思っている方がいたら、微力ながらその方の助けになれたらうれしいな、と思っています。
つぎは、あなたのもとへ。
きょう 12月21日 は「なかよし おねえさんたち」の片割れ、フェミニンおねえさんことナツコさん のお誕生日でした。ちなみに、もうひとりの片割れ、大きなおねえさんことマコさん は8月23日 生まれです。
明日はどんな記事が読めるのでしょうか、楽しみですね。