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失われた猫

Published at December 2, 2020 7:05 p.m.
Edited at December 3, 2020 3:39 p.m.

こんにちは、やまこ (@yamako@fedibird) です。

これは、 本棚の本を紹介する Advent Calendar 2020 の 6 日目の記事です。

私について

ローカルタイムラインのない Mastodon インスタンス Fedibird に生息している、IT エンジニアっぽい生き物です。

お絵かきが好きで、ハートフル創作百合まんが「なかよし おねえさんたち」を投稿したりしています。よろしくお願いします。

「失われた猫」について

どれを紹介するか迷いましたが、私のお気に入りの一冊「失われた猫」にしました。
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334927929

IMG_4713

この本は10年以上前にふらっと入った本屋さんで見つけて、ふらっと買いました。

ミステリ小説で有名な 森 博嗣 さんの作品ですが、私は彼の本は「スカイ・クロラ」しか読んだことはありません。そう、アニメ映画が面白かったから原作を読むというミーハームーブですね。私の最近の読書量はそんな動機で、すこーしずつだけ積み重ねられているのです。


しかし、この本との出会いは不思議でした。なんとなく吸い込まれて、なんとなく買って、そして気に入ってしまった。もうそれだけです。

猫が好き、というのはあります。大いにあります。ですがこの作品に出てくる猫は、現実の猫よりももう少し寓話的に思えます。この本は、猫の絵がたくさん出てくるのですが、ふだんSNSで投稿されるかわいい猫ちゃんの写真を見るのとはちょっとちがう、べつの猫に見えます。


建築家の猫と、革命家の猫。

二匹の猫のモノローグと、ダイアローグが、いつか失われた風景のような世界でつづいていく。

そして失われた猫の軌跡を求め、革命家はさまよい…


で、書き始めて思ったんですけどこの本を紹介するの めっちゃむずい。
だってこの本、詩と絵 ですもん。
トゥートでも誤字を連発する私の文章力でどう表現しろと。ええ。

でも私はこの本がすごく好きなんですよ。なんかこう、猫の高潔さと神秘性が同居しているというか、猫から人間がかわいい〜〜〜〜って思う成分を抜いたらこうなるのでは???みたいな雰囲気もあり。

なんですけど、決して優しい世界ではなくどちらかというと冷たいというか厳しい印象を受けるひとも多いと思います。でもそういうの好きなんですよね私。かえって癒やされる的な。


IMG_4714

「失われた猫」より。この本にページ番号は振られていません。雰囲気を伝えたい。


目次もページもなく、まえがきもあとがきもない。
そもそも、ほんとうにこの生き物たちは「猫」なのか。
いつどこの世界なのか。本当に起きたことなのか。

それらの「あるべきはず」を削ぎ落とし、つねに本質から考えることの厳しさと心地よさ。

私にとって「失われた猫」は、そんなものを与えてくれる本なのです。

おわりに

頑張ってハードルを下げてみたつもりですがいかがでしたでしょうか。

明日はどんな記事が読めるのでしょうか。楽しみですね。